新入社員の心理学
上司の行動パターンを理解する
節目の4月。学生生活から初めて社会に出る、あるいは心機一転新しい職場に変わる等、就職・転職は人生の大きなステップです。そこには新しい仕事が待っていますし、新たな人間模様も展開されます。しかも、ほとんど横一線の仲間関係で済んだ学生時代とは違って、職場での人間関係は上下あり、横あり、ビジネスライクありと複雑多岐にわたります。そこで、社会人ならではの「人間関係のテクニック」が必要となる訳です。

仕事においては、ある程度キャリアを積んでからの勝負になりますが、人間関係は出社したその瞬間からの真剣勝負です。勝負を有利に進める決め手は何と言っても第一印象。そのための自己演出が必要になります。では、いかなる自己演出で臨めば良いのでしょうか・・・。

有効な自己演出をするためには、まず上司の性格をある程度理解することです。もちろん一朝一夕に上司の性格をつかむことは出来ませんが、一日の行動を観察して見ると、大まかな傾向は理解できると思います。そのためのテクニックをご紹介しましょう。

大切なのは第一印象
米国のエリック・バーン博士によって開発された「交流分析」と呼ばれる手法があります。これは、一人の人間の心は三つの自我状態すなわち支配的・批判的な「親の心」、冷静で客観的な「大人の心」、無邪気で感情的な「子供の心」からなっていると考え、どの自我状態がその人の中心的なものであるのかを発見することで心を知ろうとする、きわめて有効な方法です。

この法則から上司の性格や傾向を探ってみましょう。たとえば、上司が顧客と電話で話しているときの様子はどうでしょうか。冷静に状況判断し対処するという大人の心が働いていますか?それともかなり批判的な親の心でしょうか。また、部下を指導するときの様子は?面倒見が良いほうでしょうか?突き放す方でしょうか。さらに、仕事が終わって部下を誘って飲みに行く時は?天真爛漫な子供の心でアフター5のコミュニケーションをとっているでしょうか。

そうした三つの心が、どのような場合にどう現われるかを見極めることによって、有効な対処法が自然に身に付き、効果的な自己演出をすることが出来るのです。皆さんにも、このような交流分析の勉強をされることをお勧めします。ご参考までに、拙著「幸せを呼ぶ人間関係〜自信を育てる交流分析〜」をぜひご一読下さい。詳しくはこちら

ポイントは礼儀正しさ&話し方
三つの心がバランス良く現われる上司であれば、こちらの「作戦」も立てやすいのですが、なかには支配的な親の心が前面に現われるタイプも少なからずいます。こういう上司に出会ったときは、下手をすると天敵関係になってしまいかねません。

このタイプは「第一印象ですべてを判断してしまう」つまり「第一印象をいつまでも引きずって行く傾向」があります。第一印象が悪いと、いくら有能な社員でもその能力を認めてもらう前に、ダメを出されてしまう事もあるのです。
では、いかにして良い第一印象を与えればよいのでしょうか・・・。

企業の要職に就いておられる方々といろいろお話をしてきたなかで実感するのは「礼儀正しさ」と「要領の良い話し方」がキーポイント。「挨拶がきちんと出来る」「声に張りがある」ということが、上司には例外なく良い印象として受け取られます。また「結論から先にはっきり話す」「話したいポイントを三つくらいに分けて順序立てて話す」という話し方が、上司に「頭がなかなかキレるな」という印象を与えるのです。

体力にものを言わせ、まずは行動
そして何より大切なのが「行動力を示す」こと。失敗を怖れず、まず行動する姿勢がなければ、良い印象は絶対に勝ち取れません。
新入社員の時代には、失敗すれば会社全体がおかしくなるような重要なテーマは与えられません。失敗しても十分にフォローしてもらえますし、その失敗によって悪い評価が下されることもないでしょう。むしろ、頭の中だけで堂々巡りをして素早く行動に移せない新入社員にこそ、バツの評価が下るのです。

「人生25年周期説」というものがあります。最初の25年間は、体力にものを言わせてガンガン働く時期。大卒で就職すれば、3年目までがその時期に当たります。その後の25年は、50歳をピークに技術・技能を存分に発揮する時期です。そして75歳までの25年は、精神・心の充実を迎える時期と言えます。 このように人間は,体力が落ちれば技術・技能でカバーし、技術・技能が低下したら、精神・心でそれをカバーできるのです。

この人生の色分けは、ぜひ知っておいて下さい。自分自身の人生を余裕を持って見つめ、より良く生きることに繋がるからです。


ストレス指数
出来事 指数 出来事 指数
1 配偶者の死亡 83 21 配置転換 54
2 会社の倒産 74 22 同僚との人間関係 53
3 親族の死亡 73 23 法律的トラブル 52
4 離婚 72 24 300万円以下の借金 51
5 夫婦の別居 67 25 上司とのトラブル 51
6 会社を変わる 64 26 抜てきに伴う配置転換 51
7 自分の病気やけが 62 27 息子や娘が家を離れる 50
8 多忙による心身の過労 62 28 結婚 50
9 300万円以上の借金 61 29 性的問題・障害 49
10 仕事上のミス 61 30 夫婦げんか 48
11 転職 61 31 家族が増える 47
12 単身赴任 60 32 睡眠習慣の大きな変化 47
13 左遷(させん) 60 33 同僚とのトラブル 47
14 家族の健康や行動の大きな変化 59 34 引越し 47
15 会社の立て直し 59 35 住宅ローン 47
16 友人の死亡 59 36 子どもの受験勉強 46
17 会社が吸収合併される 59 37 妊娠 44
18 収入の減少 58 38 顧客との人間関係 44
19 人事異動 58 39 仕事のペースが落ちる 44
20 労働条件の大きな変化 55 40 定年退職 44

1年間に体験した生活上の変化の合計が150点以下なら、翌年に深刻な健康障害の起きる確率は30数%、150〜300点なら53%、300点以上なら80%以上である。
大阪府立公衆衛生研究所での調査結果(対象:1600人の会社員)
【ワシントン医科大学ホームズ博士らによるストレス調査を参考に作成】




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