ものの感じ方、考え方の背後には過去の経験・欲求・関心がある
私たちは遭遇するいろいろなものに対して、自分なりの捉え方、解釈をしています。その解釈の仕方は、過去の経験によって、大きく規定されています。仮に日常生活の中で嫌な経験をすると、同じようなことに対しては敏感になり、拡大解釈するということも起こってきます。また、逆に大事なことでもあるにもかかわらず、軽く考えてしまうということもあります。

さらに欲求や関心事も、経験と同じように、感じ方、考え方をどこかで支配しています。アメリカの実験ですが、こんなものがあります。10歳くらいの子どもにコインの絵を描かせると、実際よりも大きく描くというのです。それは社会的価値を持つお金に対する欲求の現われだと解釈されています。同じようなことで言えば、子どもたちはお母さんの絵を一番大きく描くという傾向があります。子どもの絵には本能、愛情、感心が表現されますから、一番の関心事はやはりお母さんのことなのでしょう。

ただし、物に対する欲求や関心は手に入ったとたんにしぼみます。車が欲しい、家が欲しいと考えている間は、心の物差しはそれをとても大きなものとして捉えていますが、手に入れた後は、満足感とともに必ずスケールダウンするのです。そしてスランプがやってきます。釣り上げた魚は存外に小さかったというわけですね。

同じものが変わった姿に映る人間の心は、心理学の興味深いテーマです。




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